現在のチェコ共和国国章
分離したスロヴァキアの紋章はありません。 

10歳の少女
 1918年、第1次大戦終了後チェコスロヴァキア共和国が独立しました。 少女は10歳になったチェコスロヴァキア共和国をあらわし、後ろから祝福の花輪をさしかけている女性は、スラヴ菩提樹の葉を頭に飾っています。 この女性は、スラヴ民族の理想を女性の姿で表現したスラヴィアですが、ここではスラヴ民族を表しています。 そして彼女が着ている青いガウンはスラヴ民族は一つというメッセージを持っています。
花輪の意味
 ミュシャ・スタイルの特徴である円形の装飾は、スラヴ民族連帯の運動「ソコル」のシンボルであることが多いですが、このポスターでも花輪はソコルをあらわしています。 花輪は下の部分が未完成ですが、この欠けたところに少女がぴったりおさまるように描かれているので、スラヴ民族の連帯にチェコスロヴァキアがたいへん重要な意味があることを示しています。 白、黄色、赤、青に単純化されたポスターの色彩もチェコおよびスラヴの歴史を象徴しています。
5つの紋章
少女の額には、1918年に独立したチェコスロヴァキア共和国の5つの地域の紋章があります。 左からシュレジエン
(ワシ)、スロヴァキア(十字架)、ボヘミア(ライオン)、モラヴィア(ワシ)、ルテニア(クマ)です。
 独立10周年を祝うポスターです
が、同時に、スラヴの歴史を表現しスラヴ民族の連帯を呼びかけるなど、ミュシャはチェコスロヴァキアにとって大切なメッセージを込めてこのポスターを描いているのです。

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1918-1928 チェコスロヴァキア独立10周年
リトグラフ 1928年

スラヴ賛歌