

『ココリコ」誌のポスター』(1899年)
スタンラン(Theophile Alexandre Steinlen
1859-1923)







自由に動くモデルを連続撮影した写真
ヴァル・ド・グラースのアトリエ 1899年頃


コクリコ
タイトルの女性はコクリコ(coquelicot ヒナゲシ)を頭に飾っています。コクリコも、オンドリとともにフランスの象徴とされ、ミュシャは「コクリコ」をさまざまな作品に登場させています。
コクリコはフランスでは野原や麦畑で普通に見られるごくありふれた花です。『ムース川のビール』、『LUビスケットのラベル』はフランスとフランスの農業をあらわし、『夏
連作四季』はコクリコの咲く季節、夏をあらわす例です。
ミュシャの故郷チェコでもコクリコは野に咲く花です。ヒナギクとともにチェコの象徴とされ『チェコ周遊旅行写真集』の表紙ではコクリコはチェコの土地を象徴しています。

ココリコ
『ココリコ』誌は、1898年に画家のポール・ブティニー(Paul-Émile Boutigny 1853-1928)が創刊した美術文芸誌。スタンランのポスター(左)でもわかるようにアール・ヌーヴォーの多くの画家たちに活躍の舞台を提供して、アール・ヌーヴォーの普及に貢献したと評価されています。
コケコッコ
誌名の『ココリコ』は日本語で言えば「コケコッコー」。オンドリ(雄鶏 le coq)の鳴き声を雑誌の名前にしています。スタンランのポスターだけでなく、ミュシャによる題字でも女性の肩にオンドリがとまっており、各号の表紙デザインには雄鶏をテーマにしたものが多くあります。
ゴロワ種のオンドリはフランスの象徴とされ、サッカーのフランス代表ユニフォームにもオンドリのマークがついています。
オンドリ
「ゴロワ」はフランス地域に住んでいたとされる古代ケルト族ガリア人に由来します。フランス人直接の祖先ではないのですが、フランス語でガリア人をゴロワ(gaulois)といい、ニワトリのゴロワ種と同音なのと、ゴロワのオンドリは勇敢で強情、鼻が高く好色多情なところがフランス人のイメージと同じだとされています。またオンドリのトサカが、同じくフランスの象徴のコクリコ(coquelicot
ヒナゲシ)の花びらを思わせるからだともいいます。
主宰のブティニーは普仏戦争従軍の経験があり、戦争画を得意として20代からサロンで活躍し、『ココリコ』創刊の年にレジォン・ド・ヌール勲章を授与されたことなども『ココリコ』の誌名に関係があると思われます。



ミュシャのデザインによる 『ココリコ誌』 扉のタイトル(1898年)
サッカー・フランス代表チームのマーク

『夏 連作四季』から
『ムース川のビール』ポスター
『チェコ周遊旅行写真集』 表紙
『LUビスケット ラベル』
ミュシャの『ココリコ誌』 表紙