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挿絵と表紙 
挿絵から
 画家ミュシャは挿絵からはじまりました。
 1890年1月、パリで勉強していたところ突然学費と生活費の仕送りが途絶えて生活のために雑誌の表紙や挿絵を描くようになりました。やむを得ずにはじめた仕事ですが1年もしないうちにパリやプラハの出版界で注目を集めるようになり、挿絵画家としてはギュスターヴ・ドレ
(Paul Gustave Doré 1832-1888) と同等の評価がなされるようになりました。
 「ドイツの歴史」
(C.セニョボス 著)では新進のミュシャが当時のフランス最高とされていた挿絵画家G. ロシュグロス(Georges-Antoine Rochegrosse 1859-1938)とともに挿絵を描いています。しかし刊行された本を実際に手に取るとミュシャの挿絵がロシュグロスをはるかにしのいでいることが見てとれます。
ドラマチックな挿絵
 ミュシャの挿絵は卓越したデッサン力、とくに群像表現がすぐれています。緊張感のある画面にはまるでシェイクスピア劇の登場人物のように1人1人の人物が生き生きと克明に描かれていながら全体の画面構成が見事で物語のクライマックスをドラマチックに描いています。
ポスターも スラヴ叙事詩
 ミュシャの挿絵に注目される機会はあまり多くはありませんでした。しかし後のポスターの成功も大画面で構成する 「スラヴ叙事詩」 も、ミュシャの画業のすべては挿絵画家の経験なくしてありえません。挿絵はミュシャを決定づける重要な仕事でした。
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