プラハ城切手

ここにも 「太陽」

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 独立50周年にあたる1968年のチェコ郵便記念切手は、プラハ城のイラストと(右)『プラハ城切手』をセットにしていて、カレル橋の向こうに望むプラハ城の塔には「見えるはずのない太陽」があります。 ミュシャ以外の画家が描いた「見えるはずのない太陽」の例です。もちろん『プラハ城切手』も「太陽」付きです。オリジナルが輪郭で表していたのに対してここでは赤い点で埋めて太陽をわかりやすくしました。
 カラフルなイラストとともに『プラハ城切手』を復刻した1968年は、1月にアレクサンデル・ドゥプチェク
(Alexander Dubček 1921-1992)が第一書記に就任し、チェコスロヴァキア共産党の抑圧政策をやめて「プラハの春」と呼ばれる改革運動を進めた年です。「人間の顔をした社会主義」を実現する改革は8月にソ連主導の武力侵入によって悲劇的な終わりをむかえますが、右の切手を発行した6月の時点では国民が希望をもって民主化を推進していた時でした。
 『プラハ城切手』の復刻は独立30年の1948年に始まり、オリジナルではわずか4ヶ月で消された「未来の希望」を象徴する「太陽」 を、復刻切手では発行の初期から描いています。
  1948年は、ドイツ保護領時代から開放されたのもつかの間、クーデターで2月にソ連支配の社会主義体制に組み込まれた年でした。

チェコ郵便50年 記念切手の初日カバー (FDC) 1968年

『プラハ城切手』 最初の復刻 (1948年)

1968年の 『プラハ城切手』 復刻

カレル橋の向こうに望むプラハ城尖塔に「見えるはずのない太陽」が輝いている。
「プラハの春」の開放政策進行中のチェコスロ
ヴァキアの明るさが切手からも感じられる。
ミュシャの『プラハ城切手』にならって、チェコのイラストレーター、シュヴェンクスビール(Jiří Švengsbír 1921-1983)が描いた。

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