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『蛇のブレスレットと指輪』 など 宝飾のデッサン 1901年

 フーケとミュシャ協作ジュエリーの代表『蛇のブレスレットと指輪』は、金で精緻に造形した蛇にルビー、オパールなどの宝石を飾っていますが、ダイヤモンドはパヴェあるいはメレダイヤとよぶ小粒のダイヤモンドで、素材の価値はさほど高価ではありません。
 『蛇のブレスレットと指輪』が「世界の宝」とされるのは、宝石の価値によるのではなく、ミュシャのデザイン、フーケによる制作、さらにサラ・ベルナールが身につけていたという、19世紀末最高の芸術家3人がこの作品一つに結集している「奇跡」にあります。

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『フーケ宝飾店』 (1900-1901)  左 当時のファサード写真  右 カルナヴァレ博物館
 外装、インテリア、家具調度、彫刻、細部の飾り金具まですべてミュシャがデザインした。パリ、ロワイヤル街6番地にあったが、1930年代前半に金融恐慌の不況で閉店した。
 パリ市によって解体保存され、一時、オルセー美術館でアール・ヌーヴォー期の家具として部分的に公開していたが、現在はパリ市の歴史博物館カルナヴァレ博物館にフーケ宝飾店内外装をほぼ完全に復元し、ファサード、家具、彫刻などを当時のままに展示している。

『蛇のブレスレットと指輪』 1901年
ミュシャによるデザイン、フーケ (George Fouquet 1862-1957) 作
土居君雄コレクション
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