原故郷のスラヴ人

 「ミュシャは写真でデッサンをした」と誤解する人がいます。
 実際、モデルにポーズさせた写真を多数撮っています。しかし、ミュシャはデッサン力に非常に優れ、デッサンを何度も重ねて検討し、全体の構成や色彩効果を考えて作品を制作する画家です。

 ウィーン時代にそのころに普及しはじめたガラス乾板の写真機を手に入れ、さまざま研究しながら風景や人物、静物などを撮影し、早くから写真に注目しています。
 絵画制作には、モデルに長時間ポーズをとらせて負担をかけないため、また衣装のひだなど細部のバランス確認のために写真撮影を積極的に活用しました。

『原故郷のスラヴ人のデッサン』

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『原故郷のスラヴ人』 (部分)

『原故郷のスラヴ人のデッサン』

ズビロフ城のアトリエで