ウルリッヒ・フォン・ユンギンゲンの死
『グルンヴァルトの戦いが終わって』(『スラヴ叙事詩』)から
『グスタフ・アドルフの死』 (『ドイツ史』の挿絵から 部分)
G.ロシュグロス(1892年頃)
ミュシャは「チェコ国民が自国の歴史と向き合うための歴史画を描くことが自分に課せられた使命」との認識をごく若いころから持っていましたが、その具体的な方法論と構成をに至るにはセニョポスの『ドイツ史』の挿絵を手がけたことが契機となっています。
『スラヴ叙事詩』を見ると『ドイツ史』からの発想や影響が随所に見られます。『ドイツ史』の挿絵、30年戦争での『グスタフ・アドルフの死』を描いたのはミュシャではなくジョルジュ・ロシュグロスでしたが、『グルンヴァルトの戦いが終わって』のドイツ騎士団長ウルリッヒ・フォン・ユンギンゲンの死を描くにあたって、尊敬していたロシュグロスの『グスタフ・アドルフの死』を参考にしていることがよくわかります。
『グスタフ・アドルフの死』