プラハ・ベツレヘム礼拝堂でのヤン・フスの説教
(1412年)
― 世界の魔力、真実の勝利 ―
テンペラと油彩 1916年 610 × 810 cm
ヤン・ミリチ
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心の師
ヤン・フス
(1369-1415)
は マルティン・ルター
(1483-1546)
に
約100年先駆けて宗教改革運動を進めましたが、カトリック教会の異端審問にかけられ1415年に火刑に処せられました。 後にルターは 「ヤン・フスはわが心の師」 と語っています。
フスの改革は挫折しましたが、フスの活動と処刑、そしてフスを支持するチェコの民衆の反乱やその後の活動が、宗教や戦争の近代化を招き、民主主義や国際連合、EUの近代思想のもとにつながるなど、ヨーロッパの中世から近世への扉を開けるきっかけになりました。 カトリック教会は2000年に、フスを処刑したのは間違いだったとチェコ国民に謝罪しました。
真実は勝つ
多くの著作を残したフスは、言葉を非常に大切にするスラヴ民族のチェコ文学史上でも、表記法をはじめチェコ語の重要な改革を行いました。 「真実は勝つ
Pravda Vítezí
」 というフスの言葉は、その後600年近くも苦難の歴史を歩むチェコの人たちに 常に誇りと道しるべとなっており、現代にいたるまでチェコ共和国大統領旗にその言葉をかかげています。