ポジェブラッドのイジー王 (1462





― カトリックとウトラキスト(穏健派フス教徒)の王 ―

ヴィトコフの戦の後

テンペラと油彩   1925年  405×480 cm

国際平和をめざして
 現代の国連
(国際連合)には、ポジェブラッドのイジー王 (1420-1471) が目指した国際平和組織の理念が受け継がれています。
 フス派の内部対立を終結させてボヘミア王に推戴されたイジー王
(ポジェブラッドの領主) は、永久平和の保証、国際間の相互協力・援助ののために、ヨーロッパ・キリスト教王国連合を設立してローマ法王の陰謀とハンガリー王の野望、トルコの脅威に対抗する計画を提案し、実現のための外交交渉を積極的に展開しました。
 カトリック教会の妨害にあいながらも、政治力外交能力と硬貨流通による経済活性化、先進的な兵器などによって優勢に傾きつつあったとき、イジー王は亡くなったのでした。
 
イジー王時代のボヘミア (チェコ) は、 ヨーロッパで唯一の信教の自由があった国でした。 そして1471年にイジー王が亡くなった後は、1918年にマサリク (1850-1937) がチェコスロヴァキア共和国大統領に就任するまで、チェコ人の王を戴くことができず、400年以上にわたって外国の支配下にありました。 

イジー・ズ・ポジェブラディ