ミュシャを楽しむために：ポストカード、メニュー、カレンダー

生活の中で
　ミュシャの楽しみは装飾パネルやポスターだけではありません。ポストカードやメニュー、カレンダーなどが生活のごく身近なところで使われてミュシャの人気は世界中に広がりました。
民謡のように
　ミュシャがリトグラフで多くの作品を制作したのは美しい作品を誰でも安く手にすることができるようにと考えたからでした。メニューやカレンダーに力を入れたのも「優れた芸術はすべての人の日常生活の中にあってほしい」という希望を実現するためでした。
　ミュシャの息子イジー・ムハ(ＪｉřｉＭｕｃｈａ１９１５-１９９１)は「父の作品は民謡のようになったのだ。作者を知らなくても誰もが日常親しんでいる」と語っています。
現代のスタート
　アール・ヌーヴォーには「芸術の大衆化」という面があります。美しいポスターが街を飾るようになり、商品は美しいパッケージに包まれ人々は装飾パネルやカレンダー、ポストカードなどを日常生活の中で気軽に楽しむことができるようになりました。機能的で美しいデザインの商品に囲まれている現代の生活スタイルは、ミュシャをはじめデザイナーの第一世代によってこのころにはじまったのです。