2回使われたポスター。 さらに・・・
ユリのティアラを飾る 「遠国の姫君」 のメリザンド役のサラ・ベルナールを描いたこのポスターは、2つの目的で作られました。 ラ・プリュム誌のサラ・ベルナール記事の宣伝に作られ、1896年12月9日に開かれた 「サラ・ベルナールを讃える会」 のポスターにも使われました。 さらに文字を刷らずにラ・プリュム社から愛好家向けに販売されました。
豪華なユリのティアラも衣装も 「遠国の姫君」 の扮装のままに描いているのは、記事のタイトルが 「遠国の姫君」 だったからでしょう。 ミュシャがサラ・ベルナールを描いたもう1点のポスター、「ルフェーヴル・ユティルのビスケット」 も遠国の姫君の扮装で描いています。
明星の挿絵にも
「サラ・ベルナール」 が日本の文芸美術雑誌 「明星」 の挿絵に使われたことはよく知られています。
1900年 (明治33) の第6号、与謝野晶子 (鳳晶子) の短歌 「雁来紅」 の挿絵に最初に登場し、その後もくり返し掲載しています。 おそらく与謝野鉄幹や 「明星」 の装幀、デザインをしていた一條成美、藤島武二らが与謝野晶子の歌の世界にアール・ヌーヴォー的な魅力を鋭敏に感じとっていたからと考えられます。
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