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カレンダーの四季

1897年用カレンダー。 チョコレート会社のノベルティです。 冬、春、夏、秋の四季節を描いているのは四季の装飾パネルが大当たりしてシャンプノワ (リトグラフ工房) から四季のシリーズを求められたためです。

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雨が降っています
 日本では季節は春にはじまって冬に終わり、再び春を迎えます。しかしミュシャの『四季』は冬からはじまり、春、夏、秋と進みます。ヨーロッパ内陸では1月は雪に覆われ、ようやく5月になって訪れる遅い春を待ち望みます。
 ミュシャの『冬』の女性はどれも地味な衣装で覆った姿で描かれ、花を飾って小鳥と歌いかわす『春』と対になっています。ミュシャの祖国チェコは外国の支配を受け続け、文化も言葉も国民としても劣っているとされてきました。
 チェコ人なら誰もが歌ったことがある童謡に『コチカ レゼ ディーロウ Kočka leze dírou』があります。「今は雨が降っていて濡れています。でもいつか必ず晴れるでしょう」という歌詞は、つらい今を耐えて未来に希望をつなぐためのものでした。
 日本でもよく歌われる合唱曲『モルダウの流れ』は、スメタナ
(Bedřich Smetana 1824-1884)の交響詩『わが祖国 Má Vlast』 第2曲『ヴルタヴァ Vltava (モルダウ)』のテーマです。このメロディーは童謡『コチカ レゼ ディーロウ』がもとになっています。(「ヴルタヴァ川」をドイツ語では「モルダウ川」と呼ぶ。)
 チェコの人たちは童謡に託して未来に希望をつなぎ、スメタナもミュシャも「希望のメッセージ」を人々に届けることが芸術家の務めと考えていたのです。

連作『四季』から『冬」、『春』(部分) 1896年

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ミュシャの『四季』のカレンダーは 3フラン、郵送料込みは3フラン50サンチーム

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連作『四季』から『冬』、『春』(部分) 1900年

『三季節』 1896年