
『ミュシャ生誕100年』切手
1960年
ミュシャの肖像切手
誕生日でなく
切手のジャンルには著名人や芸術家の「肖像切手」があり、もちろんミュシャの肖像切手もあります。ミュシャ生誕100年の1960年にチェコスロヴァキアが記念切手を発行しました。しかし、「ミュシャ生誕100年記念切手」の発行は誕生日の7月24日ではなく12月18日でした。
『プラハ城切手』でも触れていますが、12月18日は「チェコスロヴァキア郵便切手の日」です。チェコスロヴァキア共和国独立直後に発行した最初の切手をデザインしたのはミュシャですから郵便切手の日に発行するのはふさわしいといえますが・・・・。
シュヴァビンスキー
「ミュシャ生誕100年記念切手」をデザインしたマックス・シュヴァビンスキー(1873-1962)もチェコの代表的な画家、グラフィック・デザイナーです。
シュヴァビンスキーはミュシャよりも一世代若い芸術家です。はじめは、外国で名声を得たミュシャ、アール・ヌーヴォーのミュシャ、時代錯誤的な『スラヴ叙事詩』に批判的で、ミュシャに敵対する若手芸術家のひとりでした。しかし時代とともに作品のメッセージ、意味を理解し、芸術家としても人間としてもミュシャを尊敬するようになり、ミュシャの葬儀で参列者が感動する弔辞を読んだのは彼でした。
シュヴァビンスキーは1928年撮影のポートレート写真をもとに切手をデザインしています。この写真は1978年の記念切手の肖像にも使われました。
郵便切手の日
1978年は独立60年とともに、1968年の「プラハの春」改革がソ連によって圧殺されてから10年目にあたります。ソ連とチェコ共産党一党支配による「正常化」という暗黒体制下にあった当時は、外国支配からの解放独立記念日のかわりに、郵便切手の日を祝うことで国民が心を合わせていたといえるでしょう。
独立70年の1988年にも「郵便切手の日」記念としてミュシャ肖像切手を発行し、切手シートでは『プラハ城切手』を添えています。

切手に使ったミュシャ肖像写真
1928年 68才



チェコスロヴァキア郵便切手の日 1978年
肖像と 『プラハ城切手』 のデッサンを組み合わせている。


ミュシャ生誕100年記念切手のFDC
(初日カバー) 1960年


2018年にスロヴァキア共和国が発行した「切手の日100周年」記念切手のFDC(初日カバー)
『プラハ城切手』はスロヴァキアにとっても第1号切手であり、ここでもプラハ城切手の復刻であるとともに、ミュシャの肖像切手でもある。
チェコスロヴァキア郵便切手の日 切手と切手シート(右)とFDC(下) 1988年
切手シートにはミュシャのデザインによる 『プラハ城切手』 がある。