ミュシャの肖像切手
切手に使ったミュシャ肖像写真
1928年 68才
生誕100年に
切手のジャンルには著名人や芸術家の「肖像切手」があります。もちろんミュシャの肖像切手もあります。ミュシャ生誕100年の1960年にチェコスロヴァキアが記念切手を発行しました。
誕生日でなく
ただし誕生日の7月24日ではなく、記念切手の発行は12月18日です。『プラハ城切手』でも触れていますが、12月18日は「チェコスロヴァキア郵便切手の日」です。チェコスロヴァキアが独立して最初の切手をデザインしたのはミュシャですから郵便切手の日に発行するのはふさわしいといえますが・・・・。
この切手のデザインはマックス・シュヴァビィンスキー(1873-1962)。シュヴァヴィンスキーもチェコの代表的な画家でグラフィックデザイナーです。ミュシャの葬儀で弔辞を読んだのは彼でした。シュヴァヴィンスキーは1928年撮影のポートレート写真をもとに切手をデザインしています。この写真は1978年の記念切手の肖像にも使われました。
郵便切手の日
1978年は独立60年とともに、1968年の「プラハの春」改革がソ連によって圧殺されてから10年目にあたります。共産党による「正常化」という支配のもとにあった当時は、外国支配からの解放を祝う独立記念日のかわりに、郵便切手の日を祝うことで国民が心を合わせていたといえるでしょう。
1978年、1988年にもチェコスロヴァキアは「郵便切手の日」の記念切手を発行しました。どちらもミュシャの肖像とチェコスロヴァキア共和国独立時の最初の『プラハ城切手』をデザインしたものです。
『ミュシャ生誕100年』切手
1960年
チェコスロヴァキア郵便切手の日 1978年
肖像と 『プラハ城切手』 のデッサンを組み合わせている。
チェコスロヴァキア郵便切手の日 切手と切手シート(右)とFDC(下) 1988年
切手シートにはミュシャのデザインによる 『プラハ城切手』 がある。
2018年にスロヴァキア共和国が発行した「切手の日100周年」記念切手のFDC(初日カバー)。『プラハ城切手』はスロヴァキアにとっても第1号切手であり、ここでもプラハ城切手の復刻であるとともに、ミュシャの肖像切手でもある。
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ミュシャ生誕100年記念切手のFDC
(初日カバー) 1960年