連作ではなかった『桜草』と『羽根』
『桜草』と『羽根』は装飾パネルのなかでもとくに人気があります。
今は連作となっていますが、別々の作品だったものが、よく似た画面からセットのように扱われて、連作として販売するようになったものです。
『桜草』の女性が香りを楽しんでいる花は「桜草」ですがほかの花も描いていて、もとは『花(La Fleur)』 という独立した作品でした。しかし、『花』と『果物』の『花』、4点連作の『花』シリーズとタイトルが重なるため、『花』から『桜草』へ変更したという経緯があります。
『羽根(La Plume)』は、「羽根ペン」をあらわし、「文学」を象徴しています。絵の内容と意味はそれぞれ別のものですが、画面構成には、「連作」といえるような対照性があります。