円の中に女性の顔を描いた2点連作の装飾パネルはほかにも「ビザンティン風のブロンド&ブルネット」があります。同じように円の中に描いていますが『ブロンド&ブルネット』は髪が円の外に流れているのに対して『つた』と『月桂樹』は窓の向こうの女性を見るように描いています。
 そのかわり、というわけでもないでしょうが周りにも"つた"、"月桂樹"の装飾が施されています。
(『ブロンド&ブルネット』にも 装飾を周りにほどこしているものがありますがオリジナルの初版に周囲の装飾はありません)
常緑樹
 "つた"も"月桂樹"も常緑樹で不滅をあらわします。今では"月桂樹"は"勝利"や"栄誉"を表わすとされていますが、もともとは不滅の象徴でした。勝利者に栄誉として不滅の象徴の月桂樹が与えられたものが定着したためです。
 "つた"も"月桂樹"もどちらも不滅を表わしますがそれぞれ少しニュアンスが違います。"つた"が永遠の命や不滅の愛を表わすのに対して"月桂樹"は永遠の清浄、純潔を表わします。
日本美術
 アール・ヌーヴォーに限らず当時のヨーロッパの画家で日本美術の影響を受けてない画家はいないといっていいほどです。ミュシャも例外ではありません。しかしミュシャの場合、自分のスタイルに昇華させて表現しているため日本美術とのかかわりがすぐにはわかりません。
 『つた』と『月桂樹』の上下にある装飾の帯は日本の"掛軸"からヒントを得たものです。 掛軸には"一文字"といって本紙(絵)の上下に裂れ
(きれ)を貼り周囲にも緞子(どんす)や金襴(きんらん)などの名物裂(めいぶつぎれ)を飾ります。ミュシャはこのスタイルを『つた』と『月桂樹』の装飾にとり入れました。

 『円相 Enso (Circle)』
俵 有作 (Tawara Yusaku 1932-2004)

羽根 桜草

四つの宝石

四つの星

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 掛け軸の場合、一文字(いちもんじ 本紙上下の細い裂)、中廻し(ちゅうまわし 本紙のまわりの裂)、天地(てんち 掛け軸の上下)の表装はどれも上を広く下側は狭くする。
 『つた』と『月桂樹』では安定感を感じるように帯状の装飾の下側を太くデザインしている。

四季

黄道十二宮

夢想

花と果物

三季節

四芸術

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四つの時

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つた 月桂樹

装飾パネル

   リトグラフ 1901年