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祖国チェコに戻って
 パリで名声を得たミュシャは、転換期ともいえるアメリカでの活動のあと、1909年末に故国、当時はオーストリア帝国領だったチェコにもどります。
 帰国の目的はプラハ市民会館の装飾を依頼されたためでした。 しかし「芸術家の責務は、国民が自国の歴史と向き合うための作品を制作することにある」と常々考えていたミュシャは、この機会に新たな作品の制作
に着手します。 20年以上かけて構想を練り重ねていた『スラヴ叙事詩』です。 帰国直前にアメリカで『スラブ叙事詩』制作の資金援助を得るチャンスにも恵まれました。
  『スラヴ叙事詩』、プラハ市民会館市長ホール、チェコ各地の壁画、ポスターなど、チェコの歴史に深くかかわる作品をスラヴ独特の象徴的表現で制作したこの時期の作品は、チェコの歴史が日本とはまったく異なる歩みだったために、かえって私たち日本人がどのように歴史と向きあい、どのように歴史をとらえるべきか 考えさせられます。
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モラフスキー・クルムロフで展示中の『スラヴ叙事詩』
『イヴァンチッツェでのクラリッツェ聖書印刷』

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プラハ聖ヴィタ大聖堂のステンドグラス

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『スラヴ叙事詩』 入口

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