左から 『ウミロフの鏡』(1904 土居君雄コレクション) 部分、『冬 連作四季』(1896)部分、『夜明け』(1899)部分
ミュシャ・コラム
「寄せ集めのミュシャポスター」
ビスケットのポスター
フランスのビスケット・メーカー、ルフェーブル・ユティル社のポスター。 『遠国の姫君』 に扮するサラ・ベルナールを描き、右下には 「LU (ルフェーブル・ユティル) ほどおいしいものを私は知らない」 というサラ・ベルナールの言葉が添えられています。
演劇のポスター
『遠国の姫君』 は13世紀の悲恋伝説トリポリの王女メリザンドとフランスの騎士ジョフロワの物語をもとにしています。エドモン・ロスタンがサラ・ベルナールのために戯曲を書き、1895年の初演で大成功をおさめて彼女の当り役となりました。ミュシャはこの芝居の舞台美術、衣装をデザインし、とくにルネ・ラリックが真珠をちりばめて制作したメリザンドの『ユリのティアラ』はサラ・ベルナールのシンボル、トレードマークになりました。
ユリのティアラ
1896年12月の「サラ・ベルナールの日」のためのポスター『ポスター:サラ・ベルナール』でもサラ・ベルナールはユリのティアラをつけたメリザンドの姿で描かれています。
ラリックの真珠のティアラは現存しており、ミュンヘンの劇場博物館 (1994年)とニューヨークのユダヤ美術館(2005年)の「サラ・ベルナール展」に出品して、世界中で話題になりました。