サマリアの女        1897年 リトグラフ

ポスター

イースター
 「サマリアの女」 は 聖書 (ヨハネの福音書第4章) に題材を得た受難劇です。 初演は1894年のイースター (キリストの復活祭) にあわせて4月14日から上演しました。 「テオドラ」、「遥かな国のプリンセス」などの戯曲をサラ・ベルナール (Sarah Bernhardt 1844-1923) にささげた劇作家エドモン・ロスタン (Edmond Rostand 1868-1918) の作品です。 ロスタンの戯曲では 「シラノ・ド・ベルジュラック」 が有名です。
 また近代フランス音楽をリードしたガブリエル・ピエルネ
(Gabriel Pierne 1863-1937) が劇音楽を作曲しています。
サマリア

 サマリアは、今はヨルダン領になっているパレスティナの一地方です。 サマリアの人々はユダヤ民族に属しますが、紀元前5世紀頃からユダヤの主流から離れ、ほかのユダヤ人たちとはたがいに反目していました。
 ですから、イエスがサマリア地方に通りかかりのどが渇いてサマリアの女フォティナに水を求めたとき、断られても仕方ないはずでした
(イエスもユダヤ人です)。 しかし、フォティナはイエスに水を与え、サマリアの人々をイエスの教えに改宗させた (キリスト教徒にした) のです。 「サマリアの女」 はこの奇跡をテーマにしています。
ヘブライ
 古代パレスティナが舞台の宗教劇なのでフォティナを囲む円には星とともにヘブライ文字でヤハウェ
(神の名) と書かれています。 そのほか、ルネッサンス劇場、サラ・ベルナール、サマリアの女などの文字もヘブライ文字風の書体で書いています。
 左下の人物はイエスだとも言う人もいますが、はっきりしたことはわかりません。 また、ミュシャが1892年に撮影した写真の中に右のものがあり、この人物とポーズがよく似ています。 この写真がサマリアの女のポスターのデッサンに使ったものか、たまたま似ているだけなのかよくわかっていません。

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