ワーナーズ 錆びない コルセット    1909年 リトグラフ

ミュシャ ?
 ミュシャらしい 華やかさや流麗さよりもむしろ硬さを感じさせるポスターです。画面右下のサインがなければミュシャとは思わないでしょう。贋作の「寄せ集めのミュシャ・ポスター」の方がまだミュシャらしく思うほどですが、ほぼ 同じポーズのデッサンが残されていてアメリカ時代最後の頃のミュシャ・ポスターであることがわかります。
 ではどうしてパリ時代の優美さがなくなってしまったのでしょう。
 現代の印刷では作品を写真製版しますが当時は石版職人が原画を版石に模写して製版していました
(左下のリトグラフ製作工程を参照)。出版文化が花開いていたパリにはリトグラフや木版の優れた技術をもつ職人がおり、とくにシャンプノワ・リトグラフ工房ではミュシャの魅力をよく理解し原画に忠実に製版する職人がミュシャ・ポスターの成功を支えていました。しかしすでにオフセット印刷に移行しつつあったアメリカでは職人は模写に慣れていないうえミュシャ自身も次のステップのプラハ時代に向かいつつあったため、制作をすべて印刷所にまかせなければならないという事情もありました。
コルセット から ブラジャー
 19世紀末から20世紀初頭は女性が社会に進出しはじめた時代でしたが、すその長いスカートの中で女性たちはまだ窮屈なコルセットに縛られていました。それでも街角のポスターにコルセットが登場しはじめたことは新しい時代を予感させました。
 「錆びない
コルセット」とはそれまでクジラのひげをコルセットの骨にしていたのを活動的な女性のためにスチールワイヤーをはじめて使ったことをさしています。
 女性がコルセットから解放されるのはもう少しあとの1920年代にポール・ポワレやココ・シャネルたちの機能的なデザインが登場してファッションの時代が始まるまで待たなければなりません。そのさきがけとしてワーナーズ社は
1902年(明治35年)には女性のプロポーションのためのブラジャーを発売しました。先進的なアメリカのメーカーといえるでしょう。(日本でブラジャーの販売がはじまったのは約50年後の1951年になってから)
 現在のWarner's はCalvin Klein、SpeedoとともにWARNACOグループのブランドでブラジャーなどの女性用下着で信頼を集めています。

ワーナー・コルセットのデッサン (1909年)

リトグラフ製作工程を示すリトグラフ (J.レナート氏 蔵)
中央に原画を模写する職人の姿が見える。

コルセットのポスター   左から G. ヌリ (1896年)、P.リヴモン (1897)、カッピエルロ (1901年)

椿姫
ロレンザッチオ
メディア
サマリアの女
トスカ
ハムレット
サロン・デ・サン第20回展
ランスの香水ロド
ジョブ
サラ・ベルナール
サロン・デ・サンでのミュシャ展
モナコ・モンテカルロ
ムース川のビール
Click !
トラピスティーヌ酒
ウェイヴァリー自転車
遠国の姫君
ズデンカ・チェルニー
ブルックリン美術館のミュシャ展
カサンフィス印刷所

ミュシャ・コラム
「寄せ集めのミュシャポスター

シガリロ・パリ Los Cigarillos Paris
Click !

もどる





ポスター