ルフェーヴル・ユティル の ビスケット

LUビスケットのポスター
F.ブイッセ   (1897年)

LUビスケットのポスター
R..サヴィニャック  (1988年)

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LUビスケットのカレンダー

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「寄せ集めのミュシャポスター

LUビスケットのカレンダー (左 1896年) と
LUビスケットのカレンダー (右 1896年)

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 ルフェーヴル・ユティル社は “リュ LU” の愛称で100年以上親しまれてきたフランスのビスケット・メーカーです。 ジャン・ロマン・ルフェーヴル (1819-1883)ポリーヌ・イザベル・ユティル (?-1920) の二人が1846年 (弘化3年) にフランスのナントで創業し、 二人の名前をあわせて社名にしました。 後に二人は結婚し、息子のルイ (1858-1940) の代からはルフェーヴル・ユティルと姓をあらためています。 広告の力をよく理解していたルイはブィッセ、ミュシャ、カッピエルロなどの第一級のグラフィックデザイナーを起用して LU を宣伝しました。
 1986年にルフェーヴル・ユティル社はダノン社に買収され、さらにダノンがクラフト社に吸収されたため 社名はなくなりましたが “LU” ブランドのビスケットは販売しており今もなおフランスだけでなく世界各地で人気があります。
カレンダー
 小麦色のビスケットを勧めるポーズの女性が描かれた、ミュシャらしい美しいポスターですが、このポスターはノベルティ用の
1897年カレンダー (1896年制作。) を流用したものです。
 実は、ルフェーヴル・ユティル社はカレンダーを制作した当初にも、このデザインをそのままビスケットのポスターに流用していました。 カレンダー部分を空白にしただけだったため、そのポスターには1897 というカレンダーの年号が残っています。
 
1900年に LU社がふたたび改作したこのポスターは、カレンダー部分を作り変えてゴーフルなど他の LU社製品を宣伝するポスターとしました。 しかしタイトルは元のカレンダーのままになっているので、一般には “ルフェーヴル・ユティル・ビスケットのポスター” とよんでいます。
ヒナゲシと麦
 女性は鎌と麦を描いた衣装を身につけています。 右上からフレームがぐるりと伸びてかたちづくる L と U の模様とあいまって鎌が U の字に見えます。
 鎌は、ヒナゲシと麦とともに農業国フランスの豊かなイメージを伝えます。 ヒナゲシと麦はギリシア神話の農業と復活の神デメテル
(ローマ神話ではケレス) のシンボルでもあるので、ミュシャが LU のビスケットを神話のイメージと結びつけてデザインしているのがわかります。
ビスケットの形
 ミュシャは LU社の1896年当時の新しいビスケットの形をイメージしてカレンダー部分をデザインしています
(左の部分図 参照) しかし、1900年の改作ポスターではヴァニラ・ゴーフルのイメージを打ち出しているため残念ながらミュシャのデザイン意図とは少しズレてしまいました。
 LU社は、ビスケットが均一においしく焼けるようにビスケットそのもののデザインを工夫して生産効率を上げ広く販売しました。 このビスケット型は世界中のビスケット・メーカーに取り入れられたので、日本でもビスケットといえばこのデザインを思い浮かべる方が多いでしょう。

ルフェーヴルユティル・ビスケット    リトグラフ 1900年

ポスター

ケレス  1715-6年頃
 A.J. ヴァトー (1684-1721)
ワシントン・ナショナルギャラリー蔵