左から 「カサン・フィス印刷所」 「クリオ」
右は、フェルメールの 「画家の寓意」から。(いずれも部分)

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トスカ
サマリアの女
メディア
ロレンザッチオ
椿姫
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モナコ・モンテカルロ
サロン・デ・サンでのミュシャ展
サラ・ベルナール
ジョブ
サロン・デ・サン第20回展
ランスの香水ロド
遠国の姫君
ウェイヴァリー自転車
トラピスティーヌ酒
ムース川のビール
ズデンカ・チェルニー
ブルックリン美術館のミュシャ展

ミュシャ・コラム
「寄せ集めのミュシャポスター

シガリロ・パリ Los Cigarillos Paris
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同様のボースで描いたデッサンとデッサンのためにミュシャが撮影した写真。
右下は「写真雑誌表紙のイラスト」

レオン・デシャン 1864-1899

カサンフィス印刷所

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ミュシャのポスター
 「ヒナゲシの女」あるいは「イーゼルと少女」というタイトルの装飾パネルとして知られているこの作品は、右下の文字が示すように、ミュシャ自身の作品を宣伝するラ・プリュム芸術出版社のポスターです。
 ラ・プリュム社の社主レオン・デシャン
(1864-1899)は、ミュシャを発掘し、世に送り出した一人です。ミュシャに注目していたデシャンは、1897年にサロン・デ・サンで個展を開かせ、「ラ・プリュム」誌でミュシャの特集を組むなど、ミュシャの紹介に尽力しました。
 この作品でも、文字のない"観賞用装飾パネル"を別刷りして販売しました。 "ミュシャ"と"ミュシャ・スタイル"は、デシャンのおかげで、"アール・ヌーヴォーの華"となったといっていいでしょう。
ミューズ
 ひなげしに囲まれて腰掛ける女性は、"月桂樹の葉"を頭に飾っています。これは、ミューズの一人、芸術の女神 クリオです。
 ギリシア神話では、9人のミューズ
(ギリシア神話ではムサ)がおり、そのうちの一人"クリオ(クレイオ)"は、歴史の神でしたが、のちに芸術の女神、美の女神に変わってきました。
 ミュシャは、このポスター以外でも、「カサン・フィス印刷所」
(ポスター)、「クリオ」(書籍)でも、"芸術の象徴"として"クリオ"を描いています。
 女性を囲むヒナゲシは、やはり美の女神とされているヴィーナス
(アフロディーテ)に捧げる花とされています。
 またヒナゲシは、フランスの象徴とされていますが、ミュシャの故国チェコを表す花でもあります。ヒナゲシを星のハートとともに描いていることから、ここではチェコ出身のミュシャを示しています。
(チェコの国の木、スラヴ菩提樹は、葉がハート形をしており、ミュシャの描くハートは、チェコを象徴しています。)
ミュシャ・スタイル
 ミュシャ作品には、ひと目でミュシャとわかる特徴がかあり、女性を飾る花や女性のポーズもミュシャ・スタイルの特徴のひとつです。
 ティアラや女性を囲む花は、女性が象徴するものを示しています。それに対して、女性のポーズは、ポーズで象徴するものを表しているものと、見る人の目を誘導する働きをするものの、両方があります。ポスターでは、多くの場合、女性のポーズには、目線を導いてポスターの効果を確実にする働きがあります。「ジスモンダ」や「サロン・デ・サンでのミュシャ展覧会」、「モナコ・モンテカルロ」などがその代表で、この「ミュシャ 全作品」のポスターもそのひとつです。
 文字がない装飾パネルだけ見ていてはわかりにくいですが、ポスターを見ると、ミュシャが、目線の動きまで計算して、巧みにデザインしているのがわかります。

ミュシャ 全作品  ラ・プリュム社のポスター      1898年 リトグラフ

ポスター